GDPについて調べてみたら理解がすすんだ(3)

先日に引き続き世界経済成長率について調べてみました。

nisa-no-blog.hatenablog.com

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前回は、GDP成長率は高くて5%強くらいだし、10%にはならない数字。そして世界的な混乱があるとマイナス成長にもなるが、反動でその後例年より大きく成長する傾向にある。また一般人の生活が便利になったり、生活スタイルが変わるくらいのことだとGDPに影響があるかというとそうでもなくて30年前に比べて日本の生活スタイルはめちゃくちゃ変わってきたけど、変化の大きさが成長率に反映されているかというとそうではなかったということを理解しました。

成長率が上がる要因は何か

世界経済成長率を上げるには何をすると効果が高いと言えるのかなーと思っていました。 そもそもですが、生活スタイルが変わるということはお金を使うポイントが変わるだけで、わたしたちが手にするお金の総量が変わっていないなら、お金を支払う先が変わった(年代によって何にお金を使うかの差はあれど)だけなようにも感じるので、つまり国内で見た時にお金を使う総量は変わってないため、GDPの成長率が低いのではないかな、というようなことを考えていました。

さらには、国内の競合通しでより安いものを競うというのは生活者にとってはとってもありがたいのですが、GDPという観点では、コストダウンして流動的になった生産者(働く人)がさらなる価値を生み出す時にGDPが上がると言えますが、そもそもの買い手が国内をターゲットとするなら、競争が生み出す円換算の価値は、トータル変わってないように感じました。

今までお金を落としてくれなかった全く新しいパイからお金を取れることが成長率に大きな影響を与えるのでないかなと。例えば、輸出によって得るお金だったり、国外の人が物を買うことだったり。特に生活水準に差がある人に対して物が売れると(かつての日本が家電を揃えていたように)、たくさんの人が大きな金額を使うことが約束されるという意味で、成長率への影響も大きそうです。

経済成長を促進する要素

調べたらこんな要因で経済成長するようです

新たな消費層の開拓 未参加の消費層に製品やサービスを提供することは、市場全体の拡大を意味し、GDPの増加に直接的に寄与します。例えば、発展途上国での中産階級の拡大は、新たな消費市場の開拓と見ることができ、多くの企業にとって成長機会を提供しています。

生活水準の差と経済成長 生活水準の差がある場合、その差を埋めるための投資や消費が経済成長の大きな源泉になります。発展途上国では、基本的なインフラの整備や教育、健康サービスの向上が経済成長を促進します。しかし、先進国ではこれらの基本的ニーズが既に満たされているため、新たな成長のためには技術革新やサービスの質の向上が求められます。

経済の成熟と成長の限界 先進国では、生活水準の差が少なく、市場が飽和状態になると、経済成長率は自然と低下します。これは新たな成長機会が限られてくるためで、経済の成熟に伴い、革新的な技術や新しいビジネスモデルが経済成長の主なドライバーになります。また、持続可能な成長を目指す上で、質の高い教育や研究開発への投資が重要です。

経済成長の新たなモデル 経済の成長が難しくなる状況に対して、新たな経済モデルの必要性が高まっています。例えば、共有経済やサブスクリプションモデルなど、従来の所有と消費に基づく経済から、共有やサービスに重点を置くモデルが注目されています。これにより、限られた資源を効率的に利用し、持続可能な経済成長を目指すことが可能になります。

ドイツやシンガポールが何をしているのか

例えばドイツとか、シンガポールってどんな成長戦略なのだろうって調べたらこういうことらしいです

シンガポールの成長戦略

シンガポールの政策は、国の小さな地理的・資源的制約を克服するために、国際貿易、金融サービス、高付加価値製造業、そして近年ではデジタル経済への積極的な投資とイノベーションへの注力に焦点を当てています。特にデジタルインフラの充実やスタートアップエコシステムの強化は、次世代の経済成長を支える重要な要素となっています。

ドイツの成長戦略

ドイツは、堅実な産業政策と労働市場の質の高さで知られ、製造業、特に自動車産業や機械製造が経済の中核をなしています。また、ドイツはエネルギー政策、特に再生可能エネルギーへの移行(エネルギーヴェンデ)にも力を入れており、持続可能な成長を目指しています。近年ではデジタル化と教育への投資も積極的に行われており、イノベーションを通じた新たな成長の源泉を探求しています。

なので、その国の地政学的な視点や、政策、国民性や会社法なんかによっても成長率を伸ばせるのか停滞してしまうか、ということも言えそうだなと。

日本とシンガポールの違い

ここで停滞していると言える日本と成長しているシンガポールはそもそもGDPの構成の何が違うかも調べてみました

シンガポールGDP構成

  1. 製造業: 約20% - 電子製品、バイオメディカル製品、化学製品などの高付加価値製品の製造が含まれます。
  2. 金融サービス: 約13% - シンガポールはアジアの金融ハブとしても知られ、銀行業務、保険、資産管理が盛んです。
  3. 卸売・小売業: 約18% - 国際貿易が大きな割合を占め、地理的利点を活かした商取引が行われています。
  4. ビジネスサービス: 約15% - 法務、会計、コンサルティングマーケティングなどの専門サービスが含まれます。
  5. 建設業: 約5%
  6. 輸送・倉庫業: 約12% - 主要な国際航路に位置し、物流と輸送が非常に発展しています。
  7. 情報通信: 約4% - ITと通信技術の急速な発展が見られます。

日本のGDP構成

  • サービス業 (約70%):
    • 小売、ホスピタリティ: 約15% (約7500億ドル)
    • 金融、保険: 約7%(約3500億ドル)
    • 不動産: 約15% (約7500億ドル)
    • 教育、保健: 約10% (約5000億ドル)
    • 情報通信: 約7% (約3500億ドル)
    • その他サービス: (約8000億ドル)
  • 製造業 (約20%):額: 約1兆ドル
  • 建設業 (約5%):額: 約2500億ドル
  • 農林水産業 (約1%):額: 約500億ドル

なんか具体的な数字を見ると、どの業界がどのくらいGDPを支えているのかというのがわかって面白いなーという感想です。

ここで思ったのが、最近話題の訪日外国人のインバウンド需要はどのくらいのGDPへの影響があるのかという点です。 調べた結果下記でしたが

日本(2019年のデータを基に)

  • 国内観光者の支出: 2019年に国内観光者の旅行消費総額は約21兆円です。
  • 国外観光者の支出: 2019年に日本を訪れた外国人観光客の消費総額は約4.81兆円です。

数字でみるとインバウンド観光客の消費金額って、5兆なので日本のGDPは500兆なので1%。インバウンド観光客の消費って結構ピンポイントな消費なのかなと思ったのですが、GDPの1%って相当影響が大きいですし、今インバウンド伸びているし、何よりお金の出どころが海外からなので国内の消費のパイを食い合うこともない。という点で、この部分を伸ばしていくと日本の成長率への影響って結構大きいのではないなーと思っていました。

観光地としての魅力もあり、観光資源もあり、円安でお金を落としやすい状況はできています。こういう分野が経済成長率っていう観点で見た時に成長エンジンになるのではないのかな、ということが今回調べて思ったことです。

まとめ

世界経済成長率きっかけで、GDPを見て、各国の成長率をみて、内訳を見て、身近で起きていることの数時間をみて、成長率を上昇させることはどういうことかということの考えを巡らせてみました。すこし、世界経済についての解像度が上がった気がします。